お母さんが知っておく勉強の作法その2です。
今日は「覚える」についてです。
お子さんは覚えるのが得意ですか、苦手ですか。
この覚えるのが得意か苦手かは、勉強においてお子さんが学年を追うごとに学力の差になって表れてきます。
もちろん勉強は決して覚えて終わりではありません。
特にここ数年は「思考力」「表現力」などが叫ばれ、逆に「覚える」は良くないことのように言われることもあります。
しかし私が考えるに勉強の基本は誰がなんと言おうと「覚える」にあることは間違いない事実です。
なぜなら「覚える」がなければ「思考力」も「表現力」も育たないと考えるからです。
実は、この「覚える」力は本人の経験が大きく左右します。
お子さんが小さいとき(幼稚園から小学3年生くらい)を思い出してください。
夢中でお子さんが何かを覚えた経験はありませんか。
女の子だったら花や色の名前、男の子だったら車や動物の名前なんかを、
その経験がとても大切なんです。
その経験があって4年生以降の勉強で、漢字や都道府県名、国名、動植物や地理や歴史の項目を「覚える」ことにつながっていきます。
逆に幼稚園から小学時代にそういう経験が致命的に少ないと、中学校になって英単語など覚えないといけないことが覚えられないことになってしまう危険が高くなります。
中学入試を経験した人にとっては4年生以降、塾で徹底的に「覚える」ことについて経験させられてきたでしょうから、どの中学校に上がっても「覚える」ことに苦労することが少ないようです。
そういう点では中学入試にチャレンジすることに私は賛成です。
小学校時代に「覚える」の豊かな経験をすることができる訳ですから。
塾生さんの中にも「覚える」ことが苦手というより、なかなか覚えられない人がいます。
読んで、書いて、写したあとに「じゃあ、どれだけ覚えたか試してみよう」となったときに、「先生、覚える時間ください」となるわけです。
そういう人にとっては読んだり、書いたり、写したりの作業が、決して「覚える」に直接つながらないのです。
これでは受験勉強はおろか、日ごろの勉強もままならなくなってしまいます。
最近、面談で聞いたところでは国語の時間に百人一首を覚えさせられているとか、県庁所在地をくり返しテストされているとか。
お子さんが小学生なら学校で何か覚えさせられているか、そっと確認してみてください。
お子さんが中学生なら、小学生以上に「覚える」は重要です。
地元の中学校は今日(7/15)から期末テストです。
2週間前からテスト勉強をやってきましたが、日ごろに「覚える」ことができていない人は、残念ながら「覚える」作業からテスト勉強を始めなければなりません。
5科目どれをとっても「覚える」の上に問題演習がのっかりますから「覚える」ができてない人は問題演習ができないということになってしまうのです。
「覚える」について大事なことは習慣と自覚と工夫です。
見たら覚える、聞いたら覚える、読んだら覚える、書いたら覚える、すべては覚えるに持っていけるか、これは正に習慣と自覚が大事になります。
そしてなんでもいいから自分なりに覚えやすい工夫です。
daughter(ドーター)「娘」という英単語一つとっても、覚えにくいと思ったら「ダウグフター」でもなんでもいいから覚えやすいようにして覚えちゃう。
小中高生にとってこの「覚える」作業から逃れることはできません。
中学生なら、日常から、どんどん「覚える」作業を勉強に取り入れることが大切です。
小学生なら、一つでもいいから毎日何かを「覚える」約束をして、寝る前に確認を取るなんかも効果ありです。
「覚える」は勉強方法の以前にあるもの、すなわち勉強の作法だと考えます。
一度、お子さんに「覚える」についてお話してみてください。
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